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多摩中心に活動する管理人の撮影ブログ。(since 2007.4.1) 2020年からは西日本に移動。
鐵坊主氏のYoutubeから木次線参加を決断。
定量的、論理的な考察から私見を述べるスタイルが非常に好きです。

感情を無視するのはどうかと思う一方で
感情論が先走りがちな存廃議論に飽き飽きしているのも事実。
車で行ける…!ということで参加してきました。

…その前に伯備線。
江尾 サンライズ
武庫→江尾

江尾の小さな城下町感、駅前の狭い旧道も趣があってとても良い。

それでもって三井野原へ。シンポジウムの最中に通過する「おろち号」のために中断して撮影時間が設けられました。
木次線 シンポジウム
三井野原→出雲坂根


シンポジウムについてメモがてら書きなぐってみる。

(1)梅原淳氏の趣旨は「近畿圏の通勤定期の値上げをすれば中国山地路線の赤字300億円を有に超える黒字を生み出せるから廃線にはならない」

数字ではそうなんだけど、果たしてそれでいいのか?というのが個人の感想。
結局大幅赤字で利用者もいなければ残す意義が無いので、営利企業として廃線にするのが真っ当な経営方針と思ってしまうが。
近畿圏の黒字で賄えるとは言っても、廃線にできれば近畿圏でその利益をより享受できるわけで…。


(2)杉山淳一氏の趣旨は「ワイン・チーズトレイン惨敗の理由から分析する「乗せて残そう木次線」」

非常に納得感のある講演でこれだけでも来た価値があると感じた。
杉山氏は当時企画したイベント列車を様々な記事で宣伝もしていたが、専ら鉄道メディア向けで広告効果が足りなかったことを挙げられていた。
地元の聴講者の方もそのことを指摘しており、素晴らしい現場と企画者の「対話」であった。
しかも、鉄道ファンに訴求していたにも関わらず、イベント列車は木次止まりで3段スイッチバックを通らないという…。

ただ最近では非鉄道ファン向けに満員になるようなイベントも開催できているようで、
地元人口を考えれば三江線のような「乗って残そう」ではなく、観光客を「乗せて残そう」に取り組むべきとのこと。

長期的に廃線を阻止するには「地元の人に必要とされる」ことが当然必要なわけで、
具体的な方策として「地元の人が乗る」以外に「観光客を乗せて地元の雇用を創出する」ことを提示しておられて、とても共感できる内容であった。
梅原氏の講演で述べられなかった疑問点をきれいに回収されていた。


(3)旧国鉄機関士 永橋則夫氏の趣旨は「残してほしい木次線の昔話」

現場をよく知る永橋氏の視点から当時のエピソード等をお話されていた。
今後どうしてほしい、といったところはご愛嬌だったが、
中々貴重な話をされていて、現場のエピソードは会場もよく盛り上がった。
岡山支社vs広島支社…三井野原スキー客の席取り…唯一無二の経験だと思う。


(4)鐵坊主氏の趣旨は「おろちループを活かした観光集客化の提案」

杉山氏を受けて地元の雇用創出の具体案を提示する流れで、Youtubeでも一部紹介されている内容の講演であった。

木次線のスイッチバックという価値の高い歴史遺産と周辺地域の魅力をどう活かすかというところが重要だろうなと感じた。


(5)島根大学鉄道研究部の趣旨は「木次線の現状と今後の展望」

大まかには杉山氏や鐵坊主氏の主張と変わらないが、廃線になった三江線の今や木次線の実態(アンケート調査)を行われていて、ふむふむ、という感じであった。

三江線宇津井駅のトロッコが紹介されていて、これでふと思ったのは、
木次線は幸いスイッチバック、木次乳業、酒蔵、ちょっと離れれば世界遺産の石見銀山、と集客力のある歴史遺産がある一方で、芸備線、福塩線には、宇津井駅のような名物箇所すら無いのでは…ということ。

減価償却の終わった今ある資産をいかに活用できるかに懸かっているのに、芸備線、福塩線は目玉が無さ過ぎる。
木次線は最後のあがき方によっては期待させるものがあるが、芸備線、福塩線の合理的な残し方が見えないということに改めて気づいてしまった。

全体を通して感じることもあり、非常に面白いシンポジウムであった。


ただ聴講者の一部が質疑で「おれのかんがえたすごい計画」とかを言うのはどうにかならんのかな…。
聴講者の意見ではなく登壇者のトークを聞きにきてるわけだから、
「おれの意見・知識」じゃなくて登壇者と参加者の対話ができたらもっと良い場になるのになあ、との印象。
こればっかりは運営側でどうにかするのは難しいのかもしれない。。。
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